2026/07/14 13:13



2024.7.31


昨日は予報通り雨で、私に登山用のザックがない事が判明し撮影後に調達へ。

海外への格安航空チケットが出回るようになっていた90年代終わりの学生時代、初めて大きなバックパックを買い、何度も旅に出た思い出深い深い緑のKARRIMOR。前回はこれに父のタンスから出てきたワイン色のハンカチを結んで行きました。

ベビーベッドに始まり、誕生日を重ねるごと積み木やブロック、粘土や本やバリケード、全部引っ張り出してきて思い出だから捨てないで!と折り紙や工作は増幅し、そんな中いつの間にか自分のそれを断捨離していた自分に衝撃を受け、頭の中はベージュに漂ったまま、登山用ザックは背中のサイズを合わせる必要があるそうで、そんなこともすっかり忘れて、かさねさんにひとつひとつ優しく教えてもらって、かつての丈夫なタイプとは別の超軽量なものを選びました。


準備が整い、とうとう翌日に白山登山を控え、少し緊張してきました。



初登山は、かさねさんがゆっくりとペース配分してくれて、順調に登りきることができたのですがやはり初めて。疲労が馴染んできた頃に一瞬の雨宿り、薄曇りの中で気づけばひとりきりの一本道。霧に覆われた山頂では頭痛と寒さで夜はほとんど眠れず、暗闇で朦朧と起きてるのは私ひとり、湿気のある部屋で、息が浅くなり自分のストールに包まってゆっくり深呼吸をして夜明けを待ちました。

あたりは自然と自分だけ。


街では人の気配を避けるように、制作時は無意識にあたりが寝静まった夜にひとりの時間と空間を持つように調整していました。そんなパーソナルスペース保守人間であっても、山の上のひとりの感覚は初登山のその時まできっと一度も味わったことが無いものでした。感じたことのない怖さと同時に目が醒めるような。

実際には、少し先にかさねさんがいて、視界から外れているだけで。



そんな話をしながら朝から、牛首紬の工房や、渡津の蛍の里など、鳥越の山麓から川に沿って海まで向かい、かさねさんはひとつひとつ撮影を進めていきます。

「じゃあ、明日は高度があがってきたら身体慣らしながらペースを落としてゆっくり進めば頭痛くならないから大丈夫だよ」。